チェックリストの活用で、ミスの大幅削減と業務効率向上につながりました
青果物の調達、製造・加工・販売
株式会社ファーマインド
業種:製造・販売

導入目的 | 新人の教育 |
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課題 | 新人が育たない、離職する |
効果 | ミスの件数改善と新人の成長速度がUP |
手順書でありながら業務のチェックリストとして使える。この発想はなかった。
私たちファーマインドは、青果物の調達、製造・加工、物流、販売、マーケティング、ITシステムなど、青果流通に関わる全ての機能を一貫して保有しています。
その中でも主力事業であるバナナの追熟加工は、日本全国で3割を超えるシェアを誇ります。
バナナに関しては、追熟加工のみではなく、産地のフィリピンやエクアドル、メキシコから自分たちで輸入し、スーパー・コンビニなどの小売業者様に対して直接販売する事業も行っています。また、バナナに限らず、その他の輸入、国産青果物を幅広く取り扱っています。
私はオペレーションサービス部という部署に所属しています。
この部署は、小売業者様からの注文受付、商品の在庫の管理と関係部署への報告など、商品に関わる様々な事務作業を請け負っている部門です。一言でいうと事務作業専門部隊ですね。
ファーマインドは全国にセンター14拠点、事務所を12拠点構えていますが、そのうち札幌事務所、横浜事務所の2拠点にスタッフがおり、人数は合計100名ほど、うち正社員は約30名です。
私はそのオペレーションサービス部のシニアマネージャーで、部署全体の管理、統括をしています。
関通:ありがとうございます。では、早速中身に入らせていただくのですが、まずアニーはどのようにお知りになりましたか?
きっかけはFacebookです。プライベートでFacebookを見ていたときにたまたまアニーの広告を目にしたのが問い合わせたきっかけです。
私ども事務処理専門部隊は非常に多くの課題を抱えていまして、それを何とかしたいと思っていました。
そして、何か画期的なツールはないかと、ずっと探していたんです。
業務の手順書でありながら、同時に作業チェックリストがクラウド上で表現されているという特徴をみて、「この発想は自分にはなかった」と思いました。
これならば、自分たちの部署の課題を全部解決していけるんじゃないかと、ピンときたのです。
新人が育たない、離職する、業務が混乱したまま残業、そしてミスが発生。 そんな課題がありました
関通:アニーを導入する前の課題を具体的にお教えいただけますか?
はい。まず、新人教育についての課題がありました。
教育のためのマニュアルが不揃いなだけでなく、例えマニュアルがあったとしても、フォーマットがバラバラなんです。
また、マニュアルを使用しても、教える人によって言うことが変わり、新人さんが困ってしまう、という繰り返しでした。
更にやっかいなのが新人さんが質問しづらい環境だったのです。
分からなかったら先輩に聞きたいじゃないですか。ですが、私どもの部署は非常に忙しく、また人数も多いため、上司も一人ひとりにゆっくり質問に答えられないんですよ。
スーパーマーケットさんからは明日販売するバナナを今日注文いただきます。そういったタイムスケジュールもあって、常にみんなが時間に追われているのです。
また、野菜、果物などの生物を扱っている会社なので、どうしても日々イレギュラーな調整が発生するんです。
そういった中で、業務を覚えたての新人さんは指導者に質問したくてもバタバタしているからと聞きづらくなり、「ま、いいか」でやってしまうんです。
そして、ミスが出て、指導者に怒られる、という悪循環の状態だったのです。
その結果、「続かない」「やる気にならない」そして「入社しては辞めていく」という方が多かったです。
また、業務量がとても多いので、納品先の小売店様ごとに担当チーム分けをし業務を行っているのですが、A店の業務はそのお店担当のチームメンバーしかできない、といった状態なのです。業務が増えたから、他のチームに移そうとしても、チームごとに独自のやり方が作られており、とても移管しきれない状態でした。
そして、メンバーにお休みが出るとそのチームがパンクして、残業が増えてしまうという環境でした。
そんなギリギリの中で業務をやっているので、更にミスが起きますよね。
ミスが起きてまたその対処に追われる、負のスパイラルにどんどん陥っているような状態でした。
人が育たない、ミスが続く環境は会社の損害にもつながりました。
関通:本当に大変だったのですね。新人さんが辞めることにお悩みでしたが、どのくらいの期間で辞めてしまうんですか?
本当に早くて1ヶ月、3ヶ月もたないという感じですね。
業務が複雑なので、一からちゃんと業務ができるようになるまでに3ヶ月~6ヶ月近くかかる状態です。
しかし続かないから、また一から新人さんの教育しなおし、というループでした。
関通:ミスはどのようなものがあったのでしょうか?
アニーを導入する前の話ですが、オペレーションの事故(ミス)の件数が2018年で80件ありました。
それでも多少は改善されていたんですが、作業工数に対するミスの件数が多すぎる、と感じました。

プロジェクトメンバーを結成し、アニー導入を推進。
関通:そこからのアニーの出会いについて教えてください
最初はトライアルで使わせていただきました。想定内だったのですが現場は抵抗しましたね。
なぜなら、今までのやり方に慣れていますし、新しいことに取り組むのは大変だからです。
ですので、最初の時点で中心となる推進メンバーを決め、そこからスタートすることにしました。
私を入れて5人のチームで、まずはアニーとは何かを理解する所から始まりました。
チェックリストの作り方のルールを決めたり、どうやって社内に浸透させていくか考えました。
大変ではありましたが、メンバーを決めて進めたことである程度はクリアできましたね。
メンバーは管理職の中からではなく、スタッフさんたちの業務の進捗管理や指導をしている、より業務に近い方の中から選びました。
そのメンバーが一番業務のことを知っているし、実際にアニーを導入する上で使用者としての意見や課題を出してくれると思ったからです。
選ばれたメンバーからも、最初は「え?私が?」という反応がありました。
しかし、私はもう覚悟があって、この人達についてきてもらえなかったら、アニーは推進できないと思っていました。
ですので、本人たちと正面から向き合い「あなた達は選ばれたのだからこのプロジェクトを推進して欲しい!」
と、さらには待遇面も考慮し、それでなんとかやる気を出してもらいました(笑)
関通:覚悟いただいていたんですね。チームでは、どのようなことから推進をしていきましたか?
まず、アニーを作り込んでいく上で、チェックリストやフォルダの作り方等の運用ルールを決めました。
誰が作ってもブレがないことにかなり注力しましたね。
そうしないと汎用性がないし、マニュアルが統一されていないことがそもそもの課題だったので。
毎回議論し、統一した文言、書き方、チェックリストにつけるタイトルの書き方などを、細かく決めていきました。
そして、推進メンバーである程度の作り込みを行い、ある一塊の業務グループをアニー化しました。
(私たちはマニュアルのない作業のチェックリストをアニーで作ることを「アニー化」と呼んでいます)
そのときにアニー化した業務は、難易度で言うと「中」程度で、担当を他のチームに移しても問題ないもので、
かつ新人さんにやってもらいたいもの、という基準で選定しました。

チェックリストの活用により、事故による年間損害金額が、半分以下に!
アニーを導入し7か月ですが、効果が出てきています。
まず私どもの事故(オペレーションミス)の件数が改善されましたね。
2018年が年間で80件だったのですが
アニー導入後の2019年は58件。3割近く減りました。
そしてその事故が原因で会社が被っていた損害の金額も、2018年に比べて2019年は大幅に減少し、半分以下となりました。
新人が指導者へ【聞く回数】が激減しました。
また新人教育にも効果が出てきました。
一番嬉しい効果は、新人さんがチームの指導者へ業務についての質問をする回数が、激減したのです。
新人さんの作業時間の劇的短縮は起こってないですが、わからないと手を止めてしまったり、質問しに行くことが、大きく減りました。これには、アニー導入の効果を非常に感じました。
実は先述したアニーの推進メンバーが、新人さんから質問を受ける側の立場なのですが、
「アニー化した業務を担当する新人さんからはほとんど質問されなくなった」という声がありました。
今では、アニーを導入した業務では、ほぼ質問はゼロになりましたね。
そうして、コミュニケーションの課題が改善され、モチベーションの向上にもつながりました。
また、チェックリストを作成する際の工夫点として、作業のチェックリストの頭に「この作業は〇〇のためにやるよ」
という説明書きを入れるようにしました。
それを読みながら作業しているので、何かあったときに誰に聞いたらいいのか、ミスした場合どういう影響があるかなどを、新人さんが理解してくれるようになりました。
これって、何度も説明しないと伝わりにくいところだと思うのですが、その時間を圧縮できたという効果がありました。

業務をアニー化している部署の離職者がゼロになりました
また、推進メンバーとしてアニー導入に携わってくれたメンバーについてですが、
初めてこのようなプロジェクトにメンバーとして選任されたことで、プロジェクトを達成することは大変であるにせよ、自分たちが業務を改善・変えていけるんだという実感と自信を持ってくれたのが良かったです。
「私達が動いたら業務って前よりも良くなるんだ」と、すごく自信を持ってくれたと思っています。
だから今すごく推進メンバーは前向きですね。
何か課題がでたら、前は「無理です、できない」という反応が大半でした。
しかしアニーをきっかけに「こうしたらできるんじゃない?」というそのマインドチェンジが起きたというのが、私として本当に嬉しい効果です。
そして、後は離職の問題についての効果です。3か月でやめる人が多かった導入前に比べ、業務を完全にアニー化しているチームの離職者はゼロです。一人も出ていないです。
スタッフさんからも「やっぱり抜け漏れがなくなるよね」「アニーがないと業務が進められない」「確認しながら業務ができるので安心」
という声が多く上がっています。
マニュアルはどうしても慣れてしまうと見なくなり「分かっているつもり」になってしまいます。
そうするときに、ミスは起きやすいものです。
アニーであれば、どんなに慣れていてもチェックリストを使用しますし
どこまで進んだか分かるので、これで抜け漏れはなくなると実感しています。

そして、新しい仕事ができるきっかけに
私たちの部署のお客様は約800社いまして、日々処理をしなければならない多くの作業があります。
それらの仕事を、将来的には全てアニー化したいと思っています。
しかし、もちろんアニー化することがゴールではなく、アニーを使うことによって大きく2つの問題を改善したいと思っています。
1つはミスを無くすこと。そしてもう1つは、新人教育のスピードアップです。
今の新人研修は、2週間かけて基本動作を教えたあと、業務を教えるのに3か月ぐらいかかります。
しかし、今後目指したいのは、研修は最初2週間のみにすることです。その際に必須事項とアニーの使い方を教え、そこからは「アニーを見たらできる」から独り立ちさせられる状態です。
また、部署としての目標ですが年間10%の稼働時間の削減をしたいと思っています。
人件費を10%落とせるだけでなく、空いたところに新しい仕事を入れることができますよね。
アニーを使い、ミス削減や効率化していることを、ライバルに負けない弊社の強みとして打ち出していく、
そして、新しい仕事を増やせられるように、進んでいきたいと思っています。
関通:貴重なお声をたくさんいただき、私たちも勉強になりました!ありがとうございました!